結婚式の撮影でアルバムがセットになっています。
一つのアルバムに数十万もかけたりしますよね。
果たして本当に必要なのでしょうか?
アルバムは自分で作ることも可能だし、あえてそこまで掛けなくても…という方も多いはず。
しかし、僕らフォトグラファーからしたら、ぜひアルバムまで一括で納品したいのです。
その理由は、プリントにして納品して、お客様に見せて初めての納品といえるのです。
え?データでももらえれば見れるし、それでいいよ!とおっしゃる方もおりますが、まず僕の話を聞いてください。
まず、僕たちウェディングカメラマンもアーティストの端くれです。
みなさんの結婚式を撮影しているので、記録カメラマンと捉えられることも多いのですが、プロとしてウェディングを撮影しているフォトグラファーはアーティストとして仕事をしています。
僕らは撮影後に、数百、数千、時に数万の写真の中から選別作業を行い、編集をします。
編集に使うパソコンは必ずキャリブレーション(色彩の調整)をしたスクリーンで行います。
また、僕は他の光がスクリーンに当たって反射して変な色になるのが嫌なので、基本的には暗い部屋で編集作業をします。
そうしてできた写真を、お客様にデータやアルバムにして納品します。
アルバムの場合はいいのですが、データで納品した際は少し困ります。
というのは、PCスクリーンは人により設定の色が異なります。
また、メーカーによっても色の見え方が違います。
マックとウィンドウズでも見え方は一様ではないのです。
ましてや、こういった仕事でもない限り、自分の使っているパソコンにキャリブレーションしている方はどのくらいでしょうか?
いたとしてもごく少数かと思います。
さらに、LED、蛍光灯、間接照明によっても写真の色が異なって見えるのです。
ビックカメラにある現像マシンなんて飛んでもないです!あの機械は勝手に色補正をする機能がついているので、せっかく僕たちが全ての光を遮った暗い部屋で、キャリブレーションしたスクリーンで色を調整したとしても、そこで調整が入ってしまえば、元も子もありません。
これらのことを踏まえると、カメラマンとしては安心して納品できる形態は、信頼できるプリントやさんが作ってくれたアルバムをお客様のお手元に届けてこそ、自分の仕事が完成したと言えます。
しかし、時代はITの時代、ブライダル用のアルバムを必要としなくなる方も多くいらっしゃいます。
ですが、どうか1冊のみでもいいので、僕たちが本気で手掛けたお二人の結婚式の作品をきちんとした形態で持っていただくと嬉しいです。