
写真は力持ちだ
2026年10月02日 03:07
写真は、力持ちだ。
写真は、力持ちだと思うんです。
落ち込んだ気持ちを、少し持ち上げてくれる。
さみしい時間を、あたためてくれる。
遠く離れている人を、近くに感じさせてくれる。
小さな一枚なのに、ずいぶん大きなものを抱えています。
こんにちは。Photo Studio RinのMAYUMIです。
今日は、私たちが家族写真を残したいと思う理由について、少しお話しさせてください。
写っているのは、顔だけじゃない
昔の写真を見ていて、写っていないことまで思い出すことはありませんか。
「あの日、出かける前にちょっとケンカしたんだった」
「この頃、この子はずっと抱っこだったね」
「お父さん、いつもこうやって笑ってた」
写真に声は入っていないのに、話し声を思い出す。
触れられないのに、つないだ手を思い出す。
そんなことがあります。
きれいに並んでいる写真も素敵です。
でも、子どもが横を向いていたり、誰かが笑いすぎていたりする一枚に、たまらなく「うちの家族」を感じることもある。
私は、そういう写真も好きなんです。
整った表情だけでは伝わらない、その家族らしさがあるから。
写真に残っているのは、顔だけじゃない。
その人たちが、一緒にいた時間なんだと思います。
上手な写真より、忘れられない写真を
Rinが大切にしているのも、そういう写真です。
光や構図、色、表情。
プロとして、写真の美しさを追求することは欠かせません。
そのうえで、何年かあとに見返したとき、その日の会話や空気まで思い出せる写真を残したい。
「あのとき、楽しかったね」
そのひと言が出てくる写真には、撮影した日の時間も残っている気がします。
上手な写真より、忘れられない写真を。
この言葉を、私は技術を軽く見る意味では受け取っていません。
きれいに撮ることの先に、何を残せるか。
そこまで考えるのが、私たちの仕事なんだと思っています。
子どもだけでなく、その子を見るお父さんやお母さん。
隣にいるきょうだい。
祖父母や、一緒に暮らすペット。
誰か一人の姿とともに、その人を囲む家族の時間も残したいんです。
写真の価値は、あとから変わる
撮ったばかりの家族写真は、
「きれいに撮れてよかった」
「みんなで撮れてうれしい」
そんな一枚かもしれません。
でも、5年後、10年後に見ると、気になるところが変わることがあります。
子どもの小さな手。
お母さんにくっついている距離。
抱き上げているお父さんの腕。
隣で笑う、おじいちゃんの顔。
撮影したときには気づかなかったものが、あとになって、大切に見えてくる。
子育てをしていると、成長はうれしいのに、少しさみしいこともありますよね。
できることが増えていく一方で、いつの間にかしなくなるしぐさもある。
写真は、その頃の姿をちゃんと覚えていてくれます。
そして、ときには。
その写真に写っている人に、もう会えなくなることもあります。
そんなとき、写真の中の笑顔から、知っている声やしぐさがよみがえる。
もう会えない人に、もう一度会わせてくれる。
写真には、そう感じさせてくれる瞬間があります。
もちろん、写真を見ればいつでも元気になれるわけではありません。
見るのがつらい日も、まだ開きたくない日もあると思います。
それでも、見たいと思えた日に、そこに残っている。
一緒に過ごしたこと。
笑い合ったこと。
大切にしてもらったこと。
写真は、そんな記憶を受け止めていてくれるのかもしれません。
何の記念日でもなくていい
写真館に行く理由というと、七五三や誕生日、入学、成人式などが浮かびます。
もちろん、どれも大切な節目です。
でも、家族写真には、特別な行事がなくてもいいと思うんです。
久しぶりに子どもが帰省した。
おじいちゃん、おばあちゃんも集まった。
今日は、みんなの予定が合った。
それだけでも、十分。
今日、家族が揃っている。
それだけで、撮る理由になる。
人生の大きな節目に、写真を残したい家族もいます。
病気や介護のある日々の中で、一緒に過ごす姿を残したい家族もいます。
そして、何も特別なことが起きていない今日を、残したい家族も。
どの時間も、その家族にとって大切なものです。
私たちは今、そんな家族写真を「うちの家族。」という名前で考えています。
赤ちゃんが生まれた、うちの家族。
子どもが巣立つ前の、うちの家族。
年齢を重ねた両親との、うちの家族。
ペットも一緒の、うちの家族。
家族の形は、それぞれ違います。
写真を残したい理由も、同じでなくていい。
その人たちが「うちの家族」と思う時間を、大切に撮っていきたいです。
今日の家族を、未来へ
紙一枚。
スマートフォンの中の、一枚の写真。
そこに、何年分もの記憶が重なることがあります。
撮った日はまだわからなかった意味を、未来の自分が見つけることもある。
だから私は、写真は、力持ちだと思うんです。
私たちが残したいのは、いつか見返したときに「ああ、うちの家族だ」と思える一枚です。
写真を撮るのではない。
家族の時間を残す。
その想いを、Rinの真ん中に置いていきたいと思っています。
家族が揃っているなら、写真を撮ろう。
特別な日じゃなくていい。
今日の家族を。
今しかいない、「うちの家族」を。